買取品 | 専門書 |
---|---|
ご依頼地域 | 東京都杉並区 |
買取方法 | 出張買取 |
※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。
※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。
スタッフのコメント
「本が結構な数あるんですけど、見に来てもらえますか」
という電話をいただきました。
「どのくらいの量がありますか?」
「数は結構あると思うんですけど、どのくらいあるのかはわからないです」
「正確に何冊という必要はないんですけど、物量がわからないと訪問できるかどうかわからないので確認させていただいています。ちなみに現在本はどのようにして保管してありますか?例えば本棚に入っているとか、床に積んであるとか、箱に入っているとか。今、本のそばにいらっしゃいます?」
「はい。本は棚に入っているのがほとんどです」
「わかりました。棚の大きさはどのくらいですか」
「180cm×180cmの本棚が2つあります。スライド式のものになりますね」
「なるほど。その中に本がびっしり入っているという感じですか?」
「そうですね、だいたい埋まっている感じです」
量的には問題ないな。あとは内容だな。
「それらの本はどのようなジャンルの本になりますか?」
「よくわからないんですよ。なくなった主人の本なので」
「小説とその他の本が半々くらいですかね」
場所もまあまあ近いし、数もありそうなのでとりあえず伺うことにしました。
訪問当日。
事前に伺っていた場所に車を停めて、コンテナをいくつか持って呼び鈴を鳴らします。
ご挨拶を済ませ、部屋に案内されますが、本はこちらですと案内されたのは2階です。少々嫌な予感が・・・。
教えていただいていたとおり、180cm×180cmのスライド棚が2つあり、本がびっしりと詰まっています。が、しかし・・・ぱっと見た感じ値段をつけられそうなものが殆どありません。
「大変申し訳ありませんが、ほとんどお値段をつけられそうなものがありません。どのような処分の方法がご希望ですか?」
「できれば全て持っていってもらいたいですが、難しそうですか?」
2階ですから・・・
「そうですね無料でも、すべて持ち帰るというのは厳しいですね」
「そうしたら、値段が付けられるものだけ持って帰ってもらえますか?それ以外は頑張って資源ごみに出しますから」
「わかりました」
値段が付けられるものだけを、目を皿のようにして棚から抜き出していきます。が、ラインナップ的には非常に微妙です。小説が多く、部分的にそれ以外の書籍も混ざるという感じです。棚をスライドさせた裏側には、空きも目立ちます。
2つ目の棚の最後のスライド棚だけがレールからずれているのか、棚が歪んでしまっているのか理由はよくわかりませんがスライドさせられず見ることが出来ません。ここまでで値段が付けられる本はコンテナ1箱弱という感じの量です。
押したり引いたり持ち上げたりを繰り返し、最初は見ることが出来ませんでしたが、背表紙が何冊か見れるくらいに動かすことが出来ました。出現した背表紙は古本屋が大好きな白い背表紙の、みすず書房の本が沢山です。
こうなると急に力が湧いてきます。なんだかんだと少しずつ棚をずらしながら20センチくらいずらすことが出来ました。その隙間から本を取り出していきますが、出るわ出るわ硬めの本が100冊位。
5分前くらいまで払えるお金がわずかで厳しいなと思っていましたが、査定額の桁が1桁上がりました。
「ここの棚だけ内容が非常に良いのが不思議なんですが」
「主人が大事にしていた本なんだと思います」
「もしかして棚の空いている部分にも同じような本が入っていたんですか?」
「主人は編集の仕事をしていて、亡くなった後に仕事仲間の人に持って帰ってもらったんですよ」
空きの具合から見ると、おそらく100冊位はなくなっていると思われます。仕方ありませんが、悔やまれます。もし最後のスライド棚も動いていれば、これらの本も残っていなかったでしょう。
「編集の仕事をされていたとおっしゃっていましたが、これらの本の中に携わっているものがあるんですか?」
「ああ、ありますよ。これとか、これは名前も入ってます」
確認させていただくと、たしかに名前が入っています。
「自分がした仕事の証が、こうやって残るというのは良いですね。うらやましいです。」
結局全部でコンテナ5箱分の買取となりました。
2階からコンテナをおろす足取りが非常に軽かったことは言うまでもありません。